こんばんは。
なぜ気密工事をするのかについてですが、このことを先に問われたのを思い出だします、「水蒸気の大きさってどのくらい?」でした。当時の私は、もちろん即答できるはずもありませんでした。一般に、空気中に含まれる水蒸気の大きさは、1mmの10万分の4mmといわれております。付け加えられて、「湯気は、水蒸気じゃないからね」でした。見えないようなものを相手にしていくのっていう感じですが、ただ、ワクワク感が沸いてきたのは覚えています。(数値は、当時談より)
さて、なぜ気密化するのか?ということですが、ほとんどの本(雑誌、テキスト)には、快適な居住空間をつくるため、計画的に換気を行うため、壁内結露の防止、熱損失を抑えるため…と、書いてあります。どれも間違いではありませんが、一番の目的といいますか、私は出発点と言っていますが、「壁内結露を止める」が、最初にきます。先にしっかり創っていないと、耐久面、快適面にのちに大きな影響を及ぼしてしまいます。イメージは、湿気が入り込んで、ムシムシする感じは良くないので、それをくい止め様とする。仮に入ってしまったら、停滞しないように速やかに排出させる。このことから、乾燥しているイメージが出来るかと思います。(イメージは、シンプルに良い方にしてください。)
さて、単に気密と言っても、意図的に水蒸気を止める施工をすることと、たまたま工事が出来上がっていきながら塞がった様ななんちゃって気密では、全然違います。ここから先に水蒸気を入れないように意識し計画、施工をする。当時から私は、机上での計画時は、一連の防湿層を、ひと筆で図面にどうすれば描けるか?施工時は、水を漏らさないようにするにはどうすればよいか?ということをイメージしています。当社の工夫の一つは、シートを貼る際に使用するステープルも極力使わないようにしつつも、連続して貼っていくこと。もちろん、気密テープ等にも頼りすぎないようにすること。その時の気密測定結果に差がでるだけではなく、以後の経過も比較的安定してくるように思います。少なからず最終測定時より、徐々に気密性能は劣ってきます。(当時、何棟か測定させていただいた結果から)出来る限り、良い状態を維持しておきたいということからです。同じ建物で、同じ断熱気密仕様で、納まりも同じで等ということは、まず、無いですから、施工経験、技術は非常に大事です。
そして、大事な気密測定にて、当社では、ある箇所も気密測定しています。多分、これは当社だけではないかと思っていますし、「何で測定するの?」って、測定中に居た方には言われます。これも、しっかり意図、目的があります。